エッセイ 64 テレビのニュース

木村 英亮

「事実は小説よりも奇なり」という。

テレビ番組のなかで、一番面白いのはニュースのはずである。ところが日本ではチャネルは多いが、なぜか他の番組と同じくニュースも大体内容が似ていて退屈である。それに、外国のニュースが少なく世界の動きがわからない。日本はやはり世界のなかでは片田舎なのかなと思う。1977-78年、 10か月ほどモスクワにいて、ソ連のニュース番組を見ていた。情報が政府によって統制されていると不評であったソ連でさえ、ニュースでは世界中の出来事が 報道され、日本のニュースより幅があり面白かった。

その後衛星放送がはじまって、時々刻々世界の鼓動を外国のニュース番組で見聞きできるようになった。これは、国際関係に関心をもつ者としてとてもありがたい。一般放送のニュースもグローバリゼーションの時代にふさわしくならないのかと思う。

どのようなニュースが選ばれ報道されるかは、世論の形成に非常に大きな役割を果たす。いったい誰が、沢山の事実から、どんな基準でニュー スを選んでいるのであろうか。また、ニュース番組はコマーシャリズムになじまない。視聴率が低くても報道しなければならないことがあるからである。

テレビはメディアのなかでもとくに影響力が大きく、世論を左右する。いまNHKが問題とされているが、民放をふくめ、放送のあり方は広く議論されなければならない。

そのさい、インターネットなどを活用してテレビに対抗することも考えなければならないのではなかろうか。