特定非営利活動法人地球宇宙平和研究所メールマガジン『宇宙学』創刊号

事務局

目次
1.創刊の辞――「宇宙学」の創造をめざして――
2.「宇宙学」とは何か
3.編集方針

創刊の辞 ――「宇宙学」の創造をめざして――

私が「国際地球宇宙平和研究所」をつくったのは1986年12月30日であった。この研究所は2001年12月15日に「特定非営利活動法人地球宇宙平和研究所」に改組された。「宇宙」を冠した私たちの研究所はその前史を含め30年に近い歴史を持っている。

私は幼いころから最初の人間がいつどこで生まれたのであろうかと考えていた。神が人間をつくったという話を私は信じていなかった。ダーウィンの『種の起源』によって人間がサルから進化したことを知った。マルクスとエンゲルスの『共産党宣言』によって人間の社会が原始共同体から奴隷社会、封建社会、ブルジョア社会へと変化してきたことを知った。エンゲルスの『家族、私有財産および国家の起源』によって国家がどのようにしてできたのかを知った。さらにエンゲルスの『空想から科学への社会主義の発展』によって思想が変化・発展することを知った。

私はさらに地球と太陽と宇宙がどのようにしてできたのかに関心を持つようになった。その行きついた先が「ユニバーサル・ヒストリー(宇宙史)」であり、「ビッグ・ヒストリー(大きな歴史)」であり、「ユニバーサル・スタディーズ(宇宙学)」である。

「ユニバーサル・ヒストリー」は宇宙誕生以来の歴史を説くものである。3000年ほど前から語りつがれてきた『旧約聖書』は宇宙も人間も神がつくったとしていた。それは当時の人間がつくりだしたものであった。それがいまでは「ビッグ・バン(大爆発)」によって宇宙ができたと考えるようになっている。20世紀の人間がつくりだしたものである。

「神が宇宙をつくったとする論」も、「ビッグ・バン」論にもとづく「ビッグ・ヒストリー」も「ユニバーサル・ヒストリー」の「変種の一つ」である。「空想から科学へのユニバーサル・ヒストリーの発展」である。

「ユニバーサル・スタディーズ」は宇宙の誕生から現在および将来までをも対象とする新しい学問である。それは宇宙で起こるすべての事象を対象としている。

宇宙は壮大で多様である。「宇宙学」も壮大で多様である。それは科学技術が飛躍的に発展している21世紀の人間がつくりだす学問である。

特定非営利活動法人地球宇宙平和研究所はこのような新しい総合科学「宇宙学」をつくりだすためメールマガジン『宇宙学』を創刊する。

2015年8月15日

特定非営利活動法人地球宇宙平和研究所理事長 中西 治

「宇宙学」とは何か

中西 治

はじめに
私は歴史家である。
現代史の研究者である。ソヴェト期とポスト・ソヴェト期のロシアの歴史の専門家である。
国際関係論の研究者である。ロシアとアメリカ合衆国との関係の歴史の専門家である。
歴史家はすべてのことに関心を持っている。何についても論ずる。「宇宙学」についても論ずる。

「宇宙学」と「宇宙史」
「宇宙学(Universal Studies=ユニバーサル・スタディーズ)」は「宇宙(Universe=ユニバース)」にかかわるすべての問題を論ずる学問である。その中で入門的役割を果たすのは「宇宙史(Universal History=ユニバーサル・ヒストリーある。宇宙が誕生してから消滅するまでの歴史である。

「宇宙史」の時期区分
私は「宇宙史」を次の八つの時期に分けている。

第一は137億年前に「宇宙」ができてから46億年前に「太陽」ができ、45億年前に「地球」ができるまでである。

第二は36億年前に地球に最初の「生命体」「メタン細菌(原核生物)」が誕生し、18億5000万年前に「真核生物」に進化してから700万年前に「人類」が「チンパンジー」から枝分かれするまでである。この枝分かれのときが「人類の誕生」とされている。

第三は700万年前に誕生した人類「初期猿人」が「猿人」を経て240万年前に「原人」「ホモ・ハビリス(器用な人)」に進化するまでである。「ホモ・ハビリス」は「最初に石器をつくった人」であり、「最初のホモ(ヒト)属」である。

第四はこの「原人」が「旧人」「ホモ・ハイデルベルゲンシス(ハイデルベルクの人)」を経て20万年前に「新人」「ホモ・サピエンス(賢い人、知恵の人)」に進化するまでである。「ホモ・サピエンス」は創造性を持ち、精緻な石器を使い、多様な食物を利用した。

第五は「ホモ・サピエンス」が6万年前にアフリカからユーラシアに拡散し始めてから1万年以上前に南アメリカの最南端に到達するまでである。

第六は320万年前から断続的に続いていた氷河期が1万年前に終わり「農業革命」が始まってから「文明の誕生」、「コロンブスのアメリカ到達」などを経て18世紀に「工業革命」が始まるまでである。

第七は「工業革命」の開始から「人工衛星の打ち上げ」、「人間の月着陸」、「情報技術革命」を経て今日に至るまでである。

第八は現在から「宇宙がなくなる」までである。

これらの年数は概数として理解されたい。

「宇宙学」は「壮大にして多様な総合科学」
これらの問題を研究するために次のような学問が必要である。
「物理学」、「化学」、「天文学」、「気象学」、「地質学」、「地理学」、「生物学」、「人類学」、「分子生物学」、「考古学」、「人間学」(人間の思考、宗教、思想、哲学、文学、歴史、経済、政治、社会、医術、技術、芸術等々、人間に関するあらゆる学問)等である。
「宇宙学」はこれらの諸科学を統合した学問である。

「宇宙学」をどのようにしてつくりだすのか
このような「宇宙学」を一人でつくりだすことは困難である。しかし誰でもそれぞれの専門にもとづいて独自の「宇宙学」をつくりだすことができる。

たとえば私は歴史研究者として宇宙の誕生から消滅までの通史を研究している。とくに現代史の研究者として人類の誕生から今日までの「人類史」と「人間史」を「宇宙学」の観点から再構成することをめざしている。

私はすでに中西治著『ロシア革命・中国革命・9.11――宇宙地球史の中の20-21世紀――』南窓社、2011年3月30日、中西治編著『ビッグ・ヒストリー入門』地球宇宙平和研究所、2014年1月11日、中西治編著『ビッグ・ヒストリーと21世紀の国際秩序』地球宇宙平和研究所、2014年9月30日、などでこの研究を始めている。これらの研究を発展させれば「中西治の宇宙学」ができる。

多くの人々がそれぞれ関心を持つ問題について得意とする方法で研究を進めれば全体として「壮大にして多様な宇宙学」がつくりだされる。このメールマガジン『宇宙学』は志を同じくする人々がそれぞれの「宇宙学」をつくりだすのを助けるために創刊された。

人間は「サル」から進化した動物である
36億年前に地球に誕生した最初の生命体「メタン細菌」は「核膜」のない「原核生物」であった。「核膜」のある「真核生物」が誕生したのは18億5000万年前である。20億年に近い長い歳月がかかったのは、この間に地球全体が氷河でおおわれる「凍結状態」が続いたからである。この「真核生物」から「動物」と「植物」が生まれた。

「生物学的分類」によると、この「動物界」の中で「ヒト=人=Human」は次のように位置づけられている。

「真核生物」→「動物界」→「脊索動物門」→「哺乳鋼」→「霊長目」→「ヒト科」→「ヒト族」→「ヒト属」→「ヒト種」である。「霊長目(Primate)」には「サルとヒト」が含まれる。「サル目」とも言われる。人間は「サル」から「ヒト種」の「ホモ・サピエンス」に進化した動物である。

動物は食べなければ生きていけない
動物は食べなければ生きていけない。人類は最初、身近にいる魚や鳥などの動物や木の実、草などの植物をとって食べていた。「採取・狩猟」によってである。厳しい自然の中で生きるのは大変であった。人類同士が争い、勝ったものが負けたものを殺すこともあった。

「採取・狩猟」から「農耕・飼育」へ
人間は1万年前に「農耕・飼育」を始め、「定住」し、「食糧」を「生産」し、「貯蔵」できるようになった。「豊か」になった。「都市の文化=文明」が誕生した。「貧富」の格差が生じ、「支配する者」と「支配される者」が現れ、「国家」が生まれた。

「奴隷社会」から「封建社会」、「資本主義社会」、「混合社会」へ
土地をめぐって「争い」が起こり、「戦争」が始まった。勝ったものが負けたものの土地を奪い、負けたものを「奴隷」とし、労働力として利用するようになった。「奴隷社会」が出現した。その後、「封建社会」、「資本主義社会」となり、20世紀には「社会主義社会」が登場した。現在は資本主義と社会主義の「混合社会」である。21世紀に入り「9.11事件」が起こり、「イスラム国家」が出現している。新しい「国際主体」が登場した。
「人間が人間らしく生きよう」とする動きも強まっている。

なぜ「宇宙学」をつくり、発展させるのか
私が「宇宙学」を創造し、発展させるのは「人間」が「幸せ」に、「平和」に生きるためである。そのためにまず「衣食住」を確保し、「争い」を「話し合い」で解決しなければならない。同時に「人間」が「人間らしく生きる」ためには次のような「意識」を持つことも必要であろう。

第一は「人間」として「地球」に「生」を享けたことに感謝すること。

第二は「人間」は他の「動物」や「植物」の「生命」を食して生きていることを自覚すること。

第三は「人間」はすべて同じ「家族」であることを認識すること。

第四は「土地」は「誰のもの」でもなく、その地に存在する「すべてのもののもの」であることを理解すること。

私はこのような考えを「宇宙学」のなかで学んだ。この考えを広めたい。

メールマガジン『宇宙学』編集方針

特定非営利活動法人地球宇宙平和研究所は2015年8月15日にメールマガジン『宇宙学』を創刊する。

このメールマガジンは新しい学問「宇宙学」をつくりだすことを目的としている。

編集委員会は地球宇宙平和研究所理事全員13名によって組織し、編集委員長は中西治が担当する。

地球宇宙平和研究所の正会員、賛助会員、ユニバーサル・ユニバーシティー会員は誰でも自由に寄稿できる。

テーマも字数も自由である。長すぎるものは分載する。

編集委員会が「研究所の品位を傷つける」と認定するもの以外はすべて掲載する。

原稿料は支払わない。著作権は執筆者に属す。

さしあたって「不定期刊」であるが、できれば「月刊」、少なくとも「季刊」にしたい。

メールマガジン『宇宙学』は毎号、本研究所ホームページに掲載される。

2015年8月15日

特定非営利活動法人地球宇宙平和研究所理事長 中西 治