2012年12月の総選挙結果について(上)

中西 治

中西治UU学長が年頭に発表された文を2回に分けて掲載いたします。―事務局

2012年12月の総選挙結果について      中西 治

2012年12月の衆議院議員選挙で自由民主党は前回2009年8月の選挙による119議席から294議席に増え、民主党は前回の308議席から57議席に減りました。自民党は単独で総議席480のうちの過半数240をはるかにこえる議席を獲得しました。

公明党は前回の21議席から31議席になり、自公を合わせると、325議席となりました。自公連立政権は総議席の3分の2(320議席)をこえる大政治勢力となりました。
一見、自民・公明両党は日本国民の圧倒的多数の支持を得ているかのようにみえます。しかし、実際はそうではありません。

第一に指摘すべきは投票率の低さです。今回の投票率は59%です。有権者10人のうち4人が棄権しました。しかも、白票や無効票などがきわめて多かったといわれています。日本の有権者の半数近くは政治の現状に失望し、すべての政党に期待していません。憂慮すべき状態です。

第二は自民・公明両党はともにこのところ総選挙のたびに得票数を減らしています。

今回の比例区における自民党の得票数は1660万(当選者数以外の数字はすべて概数)、得票率は27%、当選者は57名です。公明党の得票数は710万、得票率は11%、当選者は22名です。合わせても2370万、38%、79名です。投票率が59%ですので、全有権者に対する比率は22%ほどです。自公両党の支持者は有権者5人のうちの1人です。

しかも、前回2009年8月の総選挙における比例区の自民党の得票数は1880万、得票率は26%、当選者は55名でした。公明党の得票数は805万、得票率は11%、当選者は21名でした。自民党は220万、公明党は95万、それぞれ前回より得票数を減らしています。

さらに、前々回2005年9月の小泉郵政解散による総選挙結果と比較すると、その減少はいっそう顕著です。このときの自民党の得票数は2580万、得票率は38%、当選者は77名でした。公明党の得票数は890万、得票率は14%、当選者は23名でした。この7年間に自民党は920万、公明党は180万の支持者を失っています。

にもかかわらず、今回、自民党も公明党も勝利したのはなぜでしょうか。それは小選挙区制のおかげです。投票率の低さのおかげです。多党乱立のおかげです。自公両党の選挙協力のおかげです。

小選挙区での自民党の得票数も前々回の3250万(得票率47%、当選者219名)から前回の2730万(38%、64名)、さらに今回の2560万(43%、237名)と減っています。この7年間に得票数は690万も減少していますが、当選者は前々回の219名、前回は64名、今回は237名となり、当選者は前々回に比して18名増えています。

小選挙区での公明党の得票数は前々回98万、前回78万、今回88万です。7年間に10万減りましたが、当選者は前々回8名、前回0名、今回9名となり、前々回より1名増えています。