2020年のロシアとロシア・中国の現代化

中西 治

UU講義・研究資料を複数回に分けて掲載いたします。―事務局

ユニバーサル・ユニバーシティー (UU) 講義・研究資料 中西 治 2012年9月8日

2020年のロシアとロシア・中国の現代化

はじめに

米国のカーネギ国際平和基金 (The Carnegie Endowment for International Peace) はソヴェト体制崩壊後の1993年にロシアの首都モスクワにモスクワ・センターを開設し、調査・研究活動を開始した。

同センターは2012年8月に同センター編『2020年のロシア:未来のためのシナリオ』(英語版とロシア語版)とボボ・ロ(Bobo Lo)/リリア・シェフツォーワ(Lilia Shevtsova)共著『21世紀の神話-ロシアと中国における権威主義的現代化』(英語版)を発刊した。

前書の研究プロジェクトは2010年はじめに開始され、ロシアから15人、米国から10人、ヨーロッパから5人、計30人の研究者が参加した。このうち、29人が同書に研究論文を寄稿し、「世界の中のロシア」、「政治経済と経済学」、「政治システム」、「国家」、「地方」、「社会と市民社会」、「イデオロギーと文化」などの7部にわたって論じている。

「序文」と「結論」は同書の共編者である同センターのマリヤ・リップマンとニコライ・ペトロフが共同で執筆している。

後書のボボ・ロは独立した中国研究者であり、リリア・シェフツォーワは同センターのロシア国内政治研究者である。

前書『2020年のロシア:未来のためのシナリオ』のロシア語版は英語版の完全な厳密な翻訳ではない。英語版とロシア語版は文章の順序も内容も異なり、それぞれの読者にふさわしい解説的な文章が入っているところもある。

ここでは前書の英語版とロシア語版、後書英語版を参照しながら、両書の内容を簡単に紹介する。まず、前書の紹介から始める。