むすび〈宇宙の誕生と哲学・物理学の発展〉

中西 治

むすび

20世紀以降の物理学の発展により宇宙の生成発展の過程が急速に明らかになっています。歴史学研究も世界史・人類史・地球史研究の枠を越え、宇宙史研究へと拡大しています。かつては神話的であったユニバーサル・ヒストリーも科学的な根拠にもとづく現代的な歴史学として蘇り、ビッグ・ヒストリーの研究機関や国際学会もロシア、米国などで組織されています。

日本でもユニバーサル・ヒストリーは私たちの特定非営利活動法人地球宇宙平和研究所で研究が進められ、2012年4月29日には研究所内に新たにユニバーサル・ユニバーシティーが設立されました。いまのところ私たちの研究・教育は日本内外の研究業績の紹介・普及にとどまっていますが、近い将来には独自の研究を組織し、独自のユニバーサル・ヒストリーを確立し、教育したいと考えています。

古来、哲学は諸科学の父であり、歴史学は諸科学の母といわれてきました。諸科学の基礎には哲学と歴史学にもとづく理念と展望があります。

ユニバーサル・ヒストリーの理念と展望は科学性と人間性と発展性です。私たちはこの理念と展望に立って、哲学者・歴史学者などの人文科学者や社会科学者、数学者・物理学者などの自然科学者のますます増大する業績に学び、それらを総合し、時代にふさわしい新しい学問として確立することをめざしています。それは単なる諸学問の成果の受け売りや寄せ集めではありません。

私たちの学問の目的は地球上での人間同士の戦争や殺し合いをなくし、この戦争や争いが宇宙に広がることを阻止し、すべての人間が幸せに生きられるように努力するとともに、異星人との平和的出合いと共生に備えることです。この目的を実現するのが私たちの使命です。


参考文献:

京都大学文学部西洋史研究室編『改訂増補西洋史辞典』17版、東京創元社、1974年。
N. コールダ著、山口嘉夫・岡村浩・中澤宣也共訳『宇宙を解く鍵――素粒子論と宇宙論――』みすず書房、1980年。
村山斉『宇宙は何でできているのか―素粒子物理学で解く宇宙の謎―』幻冬舎、2010年。
村山斉『宇宙は本当にひとつなのか―最新宇宙論入門―』講談社、2011年。
Newton別冊『大宇宙――完全版――』ニュートンプレス、2012年。
中嶋彰著、KEK(高エネルギー加速器研究機構)協力『現代素粒子物語―ヒッグス粒子から暗黒粒子へ―』講談社、2012年。
大栗博司『重力とは何か―アインシュタインから超弦理論へ、宇宙の謎に迫る―』幻冬舎、2012年。