4.中西治の学習・研究の進展: ユニバーサル・ヒストリーと宇宙・地球・人間の将来

中西 治

1945年8月15日、日本がポツダム宣言の受諾を発表し、第二次大戦での日本の敗北が明らかになったとき、私は中学1年生でした。私は小学校時代から日本の歴史が好きでした。戦後、旧来の権威と体制が崩壊し、新しい体制が生まれ出る過程を目の当たりにし、歴史への興味が深まり、とくに、世界史への関心が強まりました。

大学でロシア語を学び、ロシアとソヴェトの歴史を研究し、卒業論文はソヴェトの農業政策についてでした。大学卒業後に日本の通信社や放送局でソヴェト関係ニュースの記者として働き、大学院で国際関係論を専攻しました。専門はソヴェト研究であり、修士論文はソヴェト政権初期の対米政策についてでした。研究はソヴェトと米国との関係からヨーロッパ諸国、中国、日本などとの関係へと広がりました。私の最初の著書は1971年に上梓した『ソ連の外交』です。大学で国際関係論や国際社会論を教え始めました。比較文明論や近代化論、収斂論に関心を持ち、米中ソ日社会の比較についても講じました。これらの研究を集大成した書が2003年に出版した『現代人間国際関係史――レーニンからプーチンまでとローズヴェルト、チャーチル――』です。

私が宇宙に強い関心を持つようになったのは、1957年にソヴェトが人工衛星「スプートニク」を打ち上げたときでした。1986年に米国のレーガン大統領が「スター・ウォーズ」を口にするようになったとき、私は地球の戦争を宇宙に広げさせてはならないとの思いから、国際地球宇宙平和研究所を設立し、1990年に『国際関係論――地球・宇宙平和学入門――』を出版しました。さらに、1999年に『新国際関係論』を出版しました。この研究所は2001年に特定非営利活動法人地球宇宙平和研究所となりました。この研究所での研究の成果として、私は2011年に『ロシア革命・中国革命・9.11――宇宙地球史の中の20-21世紀――』を上梓しました。

2012年4月29日、この研究所のなかにユニバーサル・ユニバーシティーが設置され、本格的なユニバーサル・ヒストリーの教育・研究が始まっています。この講義はこのユニバーシティーの開校講義です。

このように、私の歴史への関心は、幼いときの身近な日本史から世界史、ソヴェト史、国際関係論、国際社会論、地球宇宙平和学、宇宙地球史へと発展し、いまや、ユニバーサル・ヒストリーへと進んでいます。

私と同じようにロシア・ソヴェト史の研究から出発し、ビッグ・ヒストリー研究へと進んだ人がいます。オーストラリアの歴史家デイヴィッド・クリスチャンです。次にこの人の著作を検討します。