ユニバーサル・ヒストリーと宇宙・地球・人間の将来

中西 治

2012年6月10日の総会記念講演の草稿を複数回に分けて掲載いたします。―事務局

特定非営利活動法人 地球宇宙平和研究所 2012.6.10 講義草稿 中西治

ユニバーサル・ヒストリーと宇宙・地球・人間の将来
――ユニバーサル・ユニバーシティー開校講義――

はじめに ――ビッグ・ヒストリー、メガイストリヤ、ユニバーサル・ヒストリー

皆さんこんにちは。中西治です。本日はようこそお忙しいなかはるばる会場までお出でいただき誠にありがとうございます。また、インターネットを通じて日本をはじめ世界各地でこの講演を見ていただいている方、聴いていただいている方、ありがとうございます。うまく映っているでしょうか、聞こえているでしょうか。質問や意見などお寄せ下さい。お答えします。

本日は皆さんを1時間ほどの短い時間ですが、130億年以上前の宇宙の誕生から今日まで、さらに、今日から「10の10乗の76乗年後」の宇宙消滅までの宇宙への旅にご案内します。もちろん、宇宙消滅のときには地球も、人間も一人もいません。実は地球と人間がなくなるのはもっと早いのです。太陽がなくなるのは、これから40億年後、50億年後、80億年後といろいろな説がありますが、とにかく、なくなるのです。

太陽はなくなる前にいまよりも大きくなり、もっと高熱を発し、地球では人間が生きられなくなります。この段階ではまだ地球から他の惑星に移り住むという手があるのですが、多くは死に絶えるのです。そして、地球もなくなり、太陽もなくなるのです。でも、そうなるのは、早くても30億年先です。人間の寿命はせいぜい100年です。30億年先のことを考えていまからくよくよし、悲観しても仕方がありません。楽しく生きましょう。

私は「悠々楽々」をモットーとして生きることにしています。「悠々」は「ユニバーサル・ユニバーシティー (UU) 」、「楽々」は「楽しく楽しく生きる」に因んだものです。

今日も楽しく喋り、皆さんに楽しく聞いていただこうと思っています。新しい知識を得ることほど楽しいことはないと私は思っています。この講義を準備し、しゃべり、きいて(私は自分の講義を聞きながら喋っているのですが)、もっとも学んでいるのは私です。教えることは学ぶことであるとつくづく感じています。

さて、このところビッグ・ヒストリー (大きな歴史) の論議が国際的にも盛んです。2010年8月にイタリアの地質観測所での会合で国際ビッグ・ヒストリー学会 (International Big History Association=IBHA) の設立が決められました。この学会は2011年4月に米国ミシガン州の非営利活動法人として認可され、2012年8月に同州で第1回会議を開くことになっています。会長はオーストラリアのクリスチャンです。

また、2011年5月にロシアでもロシア科学アカデミー東洋学研究所の一部としてユーラシア・ビッグ・ヒストリー&システム予測センター (Eurasian Center for Big History & System Forecasting=ECBSF) が組織されました。ロシア語ではビッグ・ヒストリーのことをメガイストリヤと言います。センター長は同研究所のナザレチャンです。同センターが中心となって2012年2月にモスクワで国際会議「地球の将来――2045年:世界的規模の動態をモデル化し、予測する:人間とユニバーサル・ヒストリーの展望」が開催されました。ビッグ・ヒストリー、メガイストリヤ、ユニバーサル・ヒストリーの登場です。

そこで、このビッグ・ヒストリー、メガイストリヤ、ユニバーサル・ヒストリーとはいかなる歴史であるのか、これらはどうちがうのか、という問題からこの講義を始めることにします。お手元のレジュメをご覧下さい。講義はほぼこの順番で進めていきます。