7.21世紀の日常生活 : ユニバーサル・ヒストリー(宇宙地球史)入門(4)

中西 治

朝、目覚める。住んでいるのは、地球上か、地下か、海底か、はたまた、月か、火星か、宇宙ステーションか。人間の生活圏が多様化する。

宇宙と地球との移動手段はロケットの他に、赤道上空の静止軌道基地と地表を結ぶエレベータが設置され、大気汚染やエネルギー問題を伴わずに大勢の人を運ぶ。地球外に住む人は、短期の観光客も含めて相当の規模に達する。

生活圏の拡大は、経済活動を活発にすると同時に、宇宙に地上の国境線を持ち込むことの不合理性が明らかになり、地上の主権国家から独立した国際宇宙機構が誕生する。

どこに住んでもエネルギーは完全に供給される。夏の熱を蓄積し、冬に利用できるような蓄電技術が開発され、太陽熱エネルギーの高効率利用が実現する。さらに、台風、地震、火山のような自然の猛威をエネルギーに変換し、利用する技術が開発される。世界規模で常温超伝導ケーブルを使用した電力ネットワークが発達し、各国間の時差を利用したピーク電力の融通など最適なエネルギー供給がおこなわれる。

部屋の中には液晶ディスプレーのような映像表示装置は見当たらず、空間に映像を映す立体映像テレビは「におい」、「質感」などの情報も提供し、あたかも現場にいるような臨場感溢れるものとなる。人々の生活の場でロボットが活躍している。

街へ出ると、陸上交通機関の脱化石燃料化が進み、燃料電池や小型大容量の蓄電池による電気自動車が主流になり、ガソリンや軽油などの化石燃料を使用する内燃機関の車はほとんどなくなる。日常生活圏を移動する交通機関は、個人が所有・運転する自動車から、公共が管理・運行する太陽光などの自然エネルギーを利用した自動車となる。この自動車の利用は誰でも希望すれば、すぐに用意され、自動運転で目的地まで行ける。

自動車に代わる個人用の超小型航空機が広く普及し、個人の移動手段は空中移動が中心となり、世界の至る所に移動できるようになる。

宇宙旅行の一般化が進み、月や火星などへのツアー募集を日常的に見かけるようになる。1000mを超える深海探検ツアーが人気を呼び、深海遊覧ビジネスが盛況となる。

大気、海洋、大陸のモニタリング技術が進み、気候変動や環境変化の正確な予測、地震の時間単位の予知が可能となる。さらに、気象・自然現象のコントロールが可能となり、台風、地震、竜巻、津波などの天災を未然に防ぐことができる。

倫理観、道徳観の欠落や、衝動的な犯罪行動と脳機能との関連性を解明することによって、それらへの対応策が確立し、犯罪がほとんどなくなる。

安全性を確保するためのシステム技術が確立し、人のミスに起因する事故がほとんどなくなる。

自動車の自動運転化、安全機器の発達と交通インフラの整備によって、交通事故がほとんどなくなる。

事故をまったく起こさない航空機などの交通システムが実現する。

さて、実際はどうなるのであろうか。