おわりに : ユニバーサル・ヒストリー(宇宙地球史)入門(3)

中西 治

ビッグ・ヒストリーは生成期の新しい学問である。そこには歴史家、哲学者、文化人類学者、考古学者、経済学者、コンピューター専門家、数学者、地質学者、生化学者などの人文科学者、社会科学者、自然科学者など多種多様な学問の専門家が集っている。

それぞれの専門家はそれぞれの学問を究める努力をしながら、宇宙の始まりであるビッグ・バンに到達した。そして、いま、ビッグ・バンから再出発して、現代を見直している。これまで見えなかったものが見えてくるし、これまで見えていたものが別の新しいものとして見えてきている。

私は2012年2月のモスクワでの国際会議に招かれたが、私のいまの体調ではとても厳冬の2月のモスクワには耐えられない。そこで、これに文章で参加しようと思っている。

「地球の将来―2045年」はきわめて魅力的なテーマであり、知的関心を呼び起こす。

2045年は1945年に第二次大戦が終結してから100年である。この戦争の時代を幼いときに生きてきた者として、20世紀を振り返り、2045年の地球を予測し、さらに、その先を展望できることは大変幸せである。

私たちの研究所はその前身の国際地球宇宙平和研究所から数えて25年、特定非営利活動法人地球宇宙平和研究所の設立から10年、この新しい学問の最先端に立ってきた。

設立10周年にあたり、研究所は中華人民共和国から5人の賓客を迎えて2011年12月18日に横浜の神奈川県民ホールで記念行事を開催する。この催しと2011年9月の中国武漢大学での9.18(満州)事変80周年記念シンポジウムへの参加、および、2012年2月のモスクワでの国際会議への文書参加により、私たちは世界の同僚と本格的に合流する。

最初は一滴の水であったものが小さな川となり、大きな川となり、世界の海に注ぐ。これからも地球と宇宙の平和のため、新しい学問の創造のためにいっそう努力したい。私はこの機会に多年にわたり私たちの研究所を支えて下さった方々に深甚の謝意を表する。