19. #7 「農場」: ユニバーサル・ヒストリー(宇宙地球史)入門(2)

中西 治

「農場 (farming) 」は、実に、長い期間にわたる科学技術革新の一つの鎖である。

家畜化された最初の動物は一般に紀元前 1 万 5000 年ころの犬であると考えられている。馬は中央アジアのステップで紀元前 5000 年ころに家畜化された。馬の首あては馬を農場で有用な家畜にするものであり、それはさらに 4000 年待たなければならなかった。

植物の栽培はひょうたんとともに始まった。のどが乾いたときのために、ひょうたんを水筒として持参した。

あなたが狩りに行ったとき、水を持って行けなかったら、どのようになるのか、想像されたい。あなたは水のあるところのすぐ近くに立ち寄らないといけないであろう。ひょうたんを持っていたならば、さらに進んで、作物や動物の群れにもっと近づけたであろう。

小麦が、おそらく、米までは、世界でもっとも重要な作物であったであろう。太陽の光のもとで栄養物に転換し、食用に適する物質となる、もっとも効果的な作物である米が登場するのは 5000 年ほど後である。

動物と植物の飼育・栽培から水力農業へ (この植物の人工かんがいのアイデアは肥沃な三日月地帯で発展した) 、さらに、すきでの耕作と植物輪作の発想、化学肥料 (これは 17 世紀まで普及しなかった) 、人工ニトロ化学肥料 (これは 20 世紀初めに合成できるまで普及しなかった) 、最後は、 1960 年代初めの緑の革命まで、農場は前例のない経済的剰余をつくり出す能力を私たちに与えた。その多くが、ここに掲げた科学技術革新のその他のものを私たちに与えた、と言える。