5. #21 「水力」: ユニバーサル・ヒストリー(宇宙地球史)入門(2)

中西 治

蒸気機関の前、本当に厳しい仕事を成し遂げたいとき、水力 (water power) を用いた。

水力が最初に利用されたのは、共通暦紀元前 (BCE=before common era) 240 年、中東の肥沃な三日月地帯と小アジアであった。それはきわめて効率の良い科学技術革新であった。牽引用動物を使わないで重い荷物を運んだからである。それは流れる水の動きを有用な仕事に変えた。

水力は社会と経済の重要な部分として残り、うまく発展した。それがヨーロッパで工業革命を発火させた。

事実、ある人は次のように主張している。

ヨーロッパにおける豊富な降雨と多くの河川が水力を基礎とした経済を作り出し、そのことが、ルネッサンス後期に始まる世界の他の地域を凌駕する技術の発達をヨーロッパに許したのであると。

米国ニューイングランドの工場制度の場合も同じである。ここでは製粉所がマサチュセッツ、ニュ-ハンプシャー、ロードアイランド、コネチカットの河川を利用して建てられた。

効率 (efficiency) について言えば、自動車のガソリン・エンジンが到達し得る効率水準は燃料対効果の転換率に換算してわずかに約 30%である。

水が水車の下を流れる「アンダーショット (undershot) 」水車は 2000 年以上も前に発明されたが、その効率は 25%を超えている。人工水路を造り、「オーヴァーショット (overshot) 」水車にすると、水が水車の上を流れ、その効率は 75%に急上昇する。

もし、自動車をこのように造ることができると、 100mpg (1 ガロン当たりの走行マイル) 自動車はまったく問題なくなるであろう。

問題は大きさの十分な貯水タンクを丁度うまく造ることである。