宙(そら)読む月日 (5) 国際ビッグ・ヒストリー学会誕生

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イタリア・コルディジョーコ
イタリア・コルディジョーコ (写真提供:ジナ・ジャンドメニコさん)

国際ビッグ・ヒストリー学会 International Big History Association: IBHA (*12) は宇宙、地球、生命、人間の歴史の統一的・学際的な研究・教育を推進するためにあります。IBHAは2010年8月20日、イタリアのコルディジョーコ地質観測所 Osservatorio Geologico di Coldigioco (*13) で設立されました。

きっかけは、地質学者のウォルター・アルヴァレス Walter Alvarez さんが、地質学のビッグ・ヒストリー的アプローチについての理解を深めてもらおうと、何人かのビッグ・ヒストリアン(ビッグ・ヒストリーの研究者・綴り手)をこの観測所に招いたことでした。多くのビッグ・ヒストリアンが、かなり以前から学会のような団体をつくろうと思索を重ねてきました。そこに、幾人ものビッグ・ヒストリアンが一堂に会したのです。学会を始めることを正式に決定するには絶好の機会でした。

クリスチャン、スピール、アルヴァレス、クレイグ・ベンジャミン Craig Benjamin、シンシア・ブラウン Cynthia Brown、ロウエル・ガスタフソン Lowell Gustafson、バリー・ロドリーグ Barry Rodrigueは、その場で臨時執行委員会を結成し、大要以下のことが決定されました。

1) 国際的なビッグ・ヒストリーの学会を創設すること。
2) 国際的なビッグ・ヒストリーの雑誌を、電子版・紙版の両方で創刊すること。誌名は独創的なものが最善であろうこと。
アルヴァレスがカリフォルニア大学から出版できないか探ること。
3) 国際的なビッグ・ヒストリーのウェブサイトを創設すること。
サイトには活発な議論のための掲示板、ビッグ・ヒストリーの電子ライブラリー(図書館)またはアーカイヴズ(文書館)を盛り込むこと。
4) 第1回の国際的なビッグ・ヒストリーのカンファレンス(学術会議)を開催すること。(*14)
開催地はグランドヴァリー州立大学 Grand Valley State University (米国ミシガン州)にすること。
開催日は7月下旬か8月上旬が教師や他の教育者にとって参加しやすいであろうこと。
これより先は、ベンジャミンが準備に当たること。

IBHAは設立に当たり、マイクロソフト・エクスターナル・リサーチ Microsoft External Research (マイクロソフト社の外郭研究機関マイクロソフト・リサーチ Microsoft Research の一部門)から資金援助を受けました。去る2011年4月5日には、米国ミシガン州の非営利活動法人として正式に認可されました。本格的な船出です。

IBHAは発足時の決定どおり、自身初の国際カンファレンスを、2012年8月3日-5日、グランドヴァリー州立大学で開催します。大会テーマは「ビッグ・ヒストリーの教育と研究:新たな学問的領域を探る」です。このカンファレンスには僕も出席し、ペーパー(論文)を披露する予定です。

注記
(*12) 国際ビッグ・ヒストリー学会 International Big History Association: IBHA
ウェブサイト  http://www.ibhanet.org/
ブログ http://ibhanet.blogspot.com/
ユーチューブ広報動画(12分36秒) http://www.youtube.com/user/IBHAnet
ツイッター http://twitter.com/IBHAnet
フェイスブック http://www.facebook.com/pages/International-Big-History-Association/129585663779705

IBHA設立の経緯について、ウェブサイトだけではわからない点は、スピール夫妻、とりわけジナ・ジャンドメニコ Gina Giandomenico さんから教えて頂いた。記して感謝申し上げる。

(*13) コルディジョーコ地質観測所 Osservatorio Geologico di Coldigioco http://www3.geosc.psu.edu/~dmb53/OGC/index.html
アルヴァレスの教え子の地質学者アレッサンドロ・モンタナーリ Alessandro Montanari が所長を務め、妻でアーティストのパウラ・マウテッロ Paula Martello と運営している。

(*14) ビッグ・ヒストリーの国際カンファレンス自体は、これまでも開催されている。詳しくはスピールのウェブサイトのこれまでのカンファレンスをまとめたページを参照。
http://www.iis-communities.nl/portal/site/bighistory/page/f4605854-ef1e-4d45-00ce-0b1442c2a8a0