プーチン大統領のロシア -2000年~2008年- : 現代ロシア社会論(1)

中西 治

2011年7月3日に配信された2011年度第1号講義を複数回に分けて掲載いたします。ー事務局

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2011年度講義録第1号 (2011年7月3日)

現代ロシア社会論(1)

プーチン大統領のロシア -2000年~2008年-

中西 治

はじめに

プーチンが2000年3月26日にロシア連邦の大統領に当選し、5月7日に正式に大統領に就任してから11年が過ぎた。この間、最初の8年間は大統領であったが、あとの3年余は首相である。

私はプーチンが大統領になって3年近く経った2003年4月に上梓した著書『現代人間国際関係史』で、プーチンはアンドロポフ型の政治家であり、エリツィンが作った体制の改革者であり、体制の効果的な運用をはかる行政官であり、実務家であると評した。また、2002年10月のモスクワの劇場占拠事件について、ああいう処理ならば誰でもできる。一人も死なせずに問題を処理するのが真の政治家というものである。このような政策を続けるならば、プーチンには未来はないと書いた。(1)

それから8年ほど、現在のロシアについては語らず、書いてもいない。来年、2012年にはロシアで大統領選挙がおこなわれる。久しぶりに現在のロシアについて語ろうと思い、書き始めた。今回はプーチンが大統領に当選した2000年春から2期8年の任期が終わった2008年春までの大統領時代を対象とする。

目次

  • プーチンとは何者か
  • プーチン大統領の功罪

1) 中西治『現代人間国際関係史――レーニンからプーチンまでとローズヴェルト、チャーチル――』南窓社、2003年、473-475ページ参照。