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本研究所の所報第四号が発刊されました。

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2010年3月6日

アイケンベリーさんの講演会に参加して

中西 治 (16時58分)

きょうは弥生 3 月の啓蟄です。冬眠していた虫が地中から這い出る日です。遅咲きの我が家の梅も満開を過ぎ、散り始めました。

2010 年 3 月 1 日に東京のホテル・オークラで催されたジョン・アイケンベリーさんの講演会に参加しました。アイケンベリーさんは米国のプリンストン大学ウッドロー・ウイルソン公共政策大学院教授で、『アフター・ヴィクトリー』で日本でも知られている国際政治学者です。共和党のブッシュさんのイラク戦争に反対し、民主党のオバマさんの大統領当選に寄与した人です。米国では「ハト派」に属します。

アイケンベリーさんは日米安全保障条約改定 50 年にあたって「 21 世紀の日米同盟を見通す」と題して講演しました。

まず、日米の同盟関係は日米両国民のそれぞれ70%の支持を得ていると言います。日米同盟は「成功物語」であり、この同盟のお陰で、日本は進歩・発展し、地域は安定した。この同盟はすでに政治的な構造物となっているが、現在、民主的・経済的変革期にある。

日米同盟への挑戦者は台頭する中国である。日米両国は日米同盟を公共財とし、6 か国協議を発展・強化させなければならない。日本が中国と機能的関係を確立することは日米同盟にとっても良い。

中国と米国の国内総生産 (GDP) は購買力平価 (US ドル) で 2005 年に中国は 9 兆、米国は 12 兆であったが、2010 年にはそれぞれ 14 兆と 17 兆となり、2015 年には 21 兆と 22 兆、2020 年には 30 兆と 28 兆となり、中国が米国を追い越す。2025 年には 44 兆と 37 兆、2030 年には 63 兆と 49 兆となり、中国が完全に米国の上位に立つ。

アイケンベリーさんはこのことを中国対米国ではなく、中国対民主主義的資本主義世界という枠組でとらえれば、恐れるべきことではないと言います。

中国に味方しているのは北朝鮮 (朝鮮民主主義人民共和国) だけであるが、米国にはヨーロッパ諸国・日本・韓国など 30 か国から成る経済協力開発機構 (OECD) という強力な味方がいる。OECD の前記の GDP は 2005 年に 34 兆であったが、2010 年には 44 兆、2015 年には 55 兆、2020 年には 73 兆、2015 年には 88 兆、2030 年には 105 兆となる。米国と OECD を加えれば、中国は脅威ではない。さらに、軍事力において米国は中国を圧倒しており、中国が大国になるのは相当先の話しである。

アイケンベリーさんは、アフガニスタン戦争はやっかいな問題というにとどまり、オバマさんに対して経済の基本に戻れと言います。

アイケンベリーさんは、結論として、日米両国の外務・国防相から成る 4 人のタスク・フォース (Task Force=特殊任務を帯びた軍の機動部隊、一般には対策本部・対策委員会) を設け、これから先 50 年間の基地問題を含む日米関係を検討するように提案しました。彼は日米同盟が「太平洋の橋」として続くことを願っています。

アイケンベリーさんにとって日米同盟は居心地の良いもののようです。日米同盟に苦しみ、それに反対している日米両国の人々の声と行動は小さいようです。彼は軍事力の信奉者のようです。軍事力が大国の象徴であった時代は終わったのです。重すぎる武装が身を滅ぼし、国を滅ぼす時代なのです。このことが分かっていないようです。

私も日米関係が「太平洋の橋」となることを望んでいます。軍事同盟関係ではなく、平和友好協力関係によって。

2010 年 4 月 18 日におこなわれる私たちの研究所のユニバーサル・ユニバーシティ・インターネット (UUI) 開校式での記念講演「私の人生哲学」の準備をしています。

良い日々を!

2010年2月14日

最近の日本の政治情勢について

中西 治 (21時50分)

昨年 8 月の総選挙で民主党が大勝し、自民党から民主党への政権交代が実現した。国民の多くはこれを歓迎した。最近の世論調査によると、鳩山内閣の支持率は低下し、不支持率が支持率を上回った。

なぜこのようなことになったのか。

鳩山さんの指導力が不足しているからである。普天間問題しかり、後期高齢者医療問題しかりである。加えて、鳩山さんと小沢さんの金銭問題が国民の鳩山内閣離れを促している。このまま行くと、夏の参議院議員選挙で民主党は勝てない。小沢さんでは選挙はできない。小沢さんは参議院議員選挙までに幹事長を辞めるであろう。

自民党は鳩山さんと小沢さんの金銭問題に的を絞り、二人を追い落とし、鳩山内閣を退陣に追い込もうとしている。このところの国会での自民党幹部による鳩山・小沢批判は異常である。かつて政府・与党で指導的な地位にあった人々が次々と国会で、鳩山・小沢非難を繰り返し、罵声を浴びせている。非難している人と非難されている人はかつて同僚であった。恥ずかしい。このことが分からないようである。情けない。

自民党はこのようなやり方では参議院選挙に勝てない。国民はとっくに自民党と民主党の指導者がもともと保守の同僚であり、ともに金権政治にまみれた人々であることを知っている。それでも自民党よりはまだましだと考えて、民主党に日本の政治を託した。いま自民党が為すべきは、これまでの自民党の政策の二番煎じではなく、民主党以上に革新的な新しい政策を提示することである。自民党はこれができない。自民党は鳩山・小沢の民主党とたたかうことを望んでいる。麻生政権時の民主党と同じである。民主党は敵失によって勝った。自民党の狙いも同じである。次の参議院議員選挙で自民党が大敗すれば、自民党の自壊現象はいっそう進む。

現在は 20 世紀後半の政治体制から 21 世紀初頭の新しい政治体制への移行期である。

変革はすでに始まっている。このチャンスを潰し、後戻りさせてはならない。新しい人、新しい考え、新しい展望が開け始めている。政治には善意と崇高な理念が必要である。不屈で、忍耐強く、決定的なときに果断に行動する実行力が必要である。

鳩山さんが普天間問題でそれを発揮することを期待している。そうすれば、鳩山さんは歴史に残る政治家となるであろう。そうでなければ、民主党は鳩山さんでは参議院議員選挙をたたかえなくなるであろう。

歴史はジグザグの道を歩みながら進んでいく。

2010年2月13日

GA(グローバル・アカデミー)のお知らせ

岩木 秀樹 (0時56分)

2009 年度の GA (グローバル・アカデミー) では、多数の皆さんにご参加いただき、充実した論議ができました。またお忙しい中、講義を引き受けていただきた講師の皆様には感謝いたします。2009 年度の GA (グローバル・アカデミー) は以下の通り行いました。 (敬称略)

第 1 回 2009 年 6 月 14 日 (日)
統一テーマ「ヨーロッパとアジアのアイデンティティと現在」
吉野良子 (創価大学助教) 「ヨーロッパ統合の過去・現在・未来」
岩木秀樹 (地球宇宙平和研究所理事) 「中東の 20 世紀ー文明の十字路トルコー」

第 2 回 2009 年 7 月 19 日 (日)
片山博文 (桜美林大学准教授) 「フレデリック・ソディのエコロジー経済学」
林亮 (創価大学教授) 「国際関係論は西欧近代を如何に超克するか」

第 3 回 2009 年 9 月 20 日 (日)
遠藤美純 (地球宇宙平和研究所理事) 「近代世界システムにおけるヨーロッパの台頭」
王元 (地球宇宙平和研究所理事) 「中国の周期的社会動乱の再考:古典周期の終焉について」

第 4 回 2009 年 10 月 18 日 (日)
汪鴻祥 (創価大学教授) 「現代中国外交の再考 -その変化、特徴、課題などについて-」
徳永雅博 (江東区議会議員) 「民主党政権の誕生の背景と今後について」

第 5 回 2009 年 11 月 15 日 (日)
岡田邦生 (ロシア NIS 経済研究所) 「日ロ経済関係の現状と展望」
木村英亮 (横浜国立大学名誉教授) 「ソ連経済における市場経済  中国の体制をどう見るか」

2010 年度も充実した GA (グローバル・アカデミー) を開催いたしたいと思っています。現時点では、2010 年 7 月、10 月、12 月の第二日曜日の午後の時間帯で、青葉区区民活動支援センターで行う予定です。講師を希望される方、お聞きしたい講師がいらっしゃる方、ぜひ岩木までお連絡ください。

2010年2月10日

UUI 開校について

中西 治 (15時54分)

本日は記事「4月の理事会と5月の総会について」のうち、(9) ユニバーサル・ユニバーシティ・インターネット (UUI) 開校について書きます。

私たちの地球宇宙平和研究所 (IGCP) は 2009 年にグロ-バル・アカデミー (GA) を開校しました。 2010 年に UUI を開校します。

4 月 18 日の理事会のあとに、UUI の開校式をおこないます。開校記念講演として中西が「私の人生哲学 ―UUI の開校にあたって―」を講じ、「講義録」を発刊します。UUI で講義をおこなうことを希望される方は希望日時・場所と講義要綱を添えて中西に申し出て下さい。

『所報』『ニューズレター』『ブックレット』の発行、「メーリング・リスト」「ウェブサイト」などデジタル網の確立、「GA」「UUI」の開校と「講義録」の発刊によって IGCP の研究・教育・広報体制が固まります。あとはこの体制を強化・拡大し、読者との交流を発展させることです。

2010年2月5日

4月の理事会と5月の総会について

中西 治 (13時09分)

特定非営利活動法人 地球宇宙平和研究所の皆さん

2009 年度の活動がほぼ終わり、1 年間の活動を総括し、2010 年度の活動計画をたてる時期になりました。2010 年 4 月 18 日 (日) 午後に理事会と研究会、5 月 16 日 (日) 午後に総会と講演会を開催します。時間・議題などが確定しましたら、それぞれ正式にお伝えします。

理事会と総会では次のような問題についての審議・決定を予定しています。

  1. 2009 年度事業報告
  2. 2009 年度収支報告
  3. 2010 年度事業計画
  4. 2010 年度収支予算
  5. 『所報』編集
  6. 『ニューズレター』編集
  7. デジタル (ML 、ホームページなど) 管理
  8. グロ-バル・アカデミー (GA) 実施
  9. ユニバーサル・ユニバーシティ・インターネット (UUI) 開校
  10. 上海訪問
  11. ロシア訪問
  12. ベトナム交流
  13. 顧問・客員研究員委嘱

各担当者の方々、報告準備よろしくお願いします。審議事項が多いので、各項目の報告素案が纏まり次第、順次、メールでお伝えします。

ご意見や議題にすべき上記以外の問題、研究会と講演会についての要望などもお寄せ下さい。よろしくお願い申し上げます。

2010年2月1日

春です

中西 治 (21時50分)

2010 年の 1 月 (睦月=むつき) が去り、2 月 (如月=きさらぎ) が訪れました。

3 日は節分、4 日は立春です。春です。

日本において NPO (特定非営利活動法人) が重要な役割を果たすようになりました。

NPO は政府機関と並んで日本社会を支える主要な NGO (非政府組織) の一つとなっています。

私たちの NPO も設立以来 8 年を経てユニークは研究教育機関として確立しつつあります。

2009 年にグローバル・アカデミー (Global Academy=GA) が発足しました。

2010 年にユニバーサル・ユニバーシティ・インターネット (Universal University on the Internet=UUI) が開校します。

本年は中国上海の万国博覧会 (2010 年 5 月 1 日〜 10 月 31 日) を参観し、ロシアを訪問する他、よりいっそう多面的な交流活動を展開します。

研究所の財政も 2009 年度に健全化され、2008 年度の赤字から脱し、2010 年度を黒字で迎えます。

これも偏に皆さんのご配慮の賜物と深く感謝しています。

2011 年 12 月 15 日の設立 10 周年記念日に向けていっそうの発展に努力します。

ご指導とご支援をお願い申し上げます。

2010 年 2 月 1 日

特定非営利活動法人  地球宇宙平和研究所
理事長  中西  治

2010年1月25日

沖縄・名護市の皆さんへ

中西 治 (22時20分)

1 万 7950 人の皆さん
ありがとうございます。
皆さんの一票のおかげで私は勇気づけられました。
私の思いは独り善がりではなかったことを。

1 万 6362 人の皆さん
ありがとうございます。
皆さんの思いは分かります。
1 万 7950 人と仲良くして下さい。

あの戦争に生き残った人々であり、その子孫ではありませんか。
ここで争ってはあの戦争で亡くなった両親や祖父母に申し訳ないではありませんか。

戦後 65 年、やっと出発点に立ちました。
ともに、沖縄の平和のため、日本の平和のため、アジアの平和のため、地球の平和のため、すべての人間の幸せのために努力しましょう。

人間はみな同じです。
米国人も同じです。
思いは同じです。

2010年1月20日

新春講演会、開かれる

中西 治 (23時33分)

2010 年 1 月 17 日 (日) 16 時 15 分から 2 時間以上にわたって「かながわ県民センター」で恒例の新春講演会が開催されました。講師は中国武漢大学日本研究センター執行主任熊沛彪教授、演題は「東亜国際体制の変遷と東アジア共同体について」でした。教授の中国での学生で、現在日本に留学中の方々も参加され、活発な論議が展開され、予定の時間をはるかにこえました。

初めに、教授は東アジアの国際体制の歴史を概観しました。論は、古代中国を中心とする華夷体制に始まり、 1920 年代のワシントン体制、 1930 年代から 40 年代にかけての東亜新秩序、第二次大戦後の冷戦体制への従属、冷戦後の「一超諸強 (唯一の超大国米国と諸強国の並存) 」とグローバル時代の到来、東アジア共同体構想の登場に及びました。

ついで、教授はこの構想の問題点を五つ指摘しました。政治体制の多様性、経済発展の不均衡、文化背景の相違、現実の矛盾と対立、安全保障協議の欠如です。

教授は自由貿易協定 (Free Trade Agreement) を大変重視し、 2010 年 1 月 1 日の ASEAN (東南アジア諸国連合) と中国との自由貿易協定を、ヨーロッパ、北アメリカに継ぐ三番目の共同体の発足と位置づけました。 ASEAN と中国のあいだにはすでに共同体が形成されていると言うのです。日本と韓国が加入していないので不完全な東アジア共同体です。

結論として、教授は東アジアとヨーロッパ・アメリカは違うので、アジアでは東洋の思想や知恵を活用しながら、新しい共同体のパタンを創造しなければならないと主張します。

これに対して受講者から、東亜の範囲は、共同体はどのような方向に向かうのか、ユーラシア共同体の可能性は、社会主義の理念は、中国は共同体についての理論をどこの国、誰に学ぶのか、宗教は理念になりうるのか、中華人民共和国は EU (ヨーロッパ連合) のような共同体であり、さらに、東アジア共同体をつくる必要があるのか、中国が東アジア共同体構想に賛意を表しているのは国際協調の一環ではないのか、などの質問が出されました。

これらの論議の続きは 2011 年に武漢大学で開かれる予定の私たちの研究所と武漢大学との共同シンポジウムでおこなうことになります。

熊教授の講演のビデオを DVD 化し始めています。完成次第、放映し、ユニバーサル・ユニバーシティ・インターネット (UUI) を発足させます。DVD を放映していただける方、 1 月 31 日までに中西にご連絡下さい。よろしくお願いします。

2010 年 4 月 18 日 (日) 午後に「横浜市青葉区民センター」で理事会と研究会、 5 月 16 日 (日) 午後に「かながわ県民センター」で総会記念講演会と総会を開催します。
いずれも詳細が決まり次第、それぞれ改めてお知らせします。

良い愉しい日々を!

2010年1月5日

新春講演会・新年宴会と2010年度の文化学術交流について

中西 治 (11時22分)

新年明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願い申し上げます。

来る 1 月 17 日 (日) 16 時 15 分〜 18 時に恒例の新春講演会を開催します。講師は中国武漢大学国際問題研究院 (大学院) 日本研究センター執行主任熊沛彪教授です。演題は「東亜国際体制の変遷と東アジア共同体について」です。講演は日本語でおこなわれます。参加費は会員・非会員とも無料です。場所は横浜駅西口から歩いて 5 分の「かながわ県民センター」 (電話 045-312-1121) 711 号室です。グローバル・アカデミーの場所とは違いますので、お間違いのないようにお出で下さい。

講演会のあと 18 時〜 20 時に新年宴会をおこないます。場所は講演会場向かいビル地下一階の「津多屋」 (045-290-1682) です。 会費は 3 千円程度です。

2010 年度の文化学術交流は中国上海の万国博覧会 (2010 年 5 月 1 日〜 10 月 31 日) 参観と上海の研究者との交流およびロシアのモスクワ・ウラジオストクでのシンポジウム開催を予定しています。朝鮮・キューバ・ベトナムやその他との交流も歓迎します。いずれの交流も参加予定者を中心に計画を作成しますので、参加希望者は 1 月末までに中西に連絡して下さい。いまは行く予定であるが、実際には行けなくなっても結構です。文化学術交流には双方の都合を調整する必要がありますので、その準備に少なくとも半年は掛かります。希望者がおられない場合、交流は実施しません。

2011 年は研究所設立 10 年の年です。2010 年から 2012 年にかけての研究所の事業・活動についてご意見・ご要望をお寄せ下さい。

2010年1月1日

2010 年の新春に寄せて ―真に友好協力的な新しい日米関係を!

中西 治 (4時05分)

新年おめでとうございます。

21 世紀の最初のゼロ年代が終わり、 10 年代が始まりました。

2009 年に米国でオバマさんが「チェンジ (変革) 」を掲げて大統領になり、日本で鳩山由紀夫さんが「政権交代」を掲げて首相になりました。日米両国で変革の時代が始まりました。

オバマさんと鳩山さんが当面している問題は、沖縄にある米軍普天間飛行場の返還問題であり、日米関係の問題です。

日米関係は 1853 (嘉永 6) 年の黒船来航以来、次の三つの時期を経て発展してきました。

第一は 1854 (安政元) 年の神奈川条約の締結による開国から 1911 (明治 44) 年の条約改正に至るまでの不平等条約の 57 年間。第二は 1911 年から 1945 (昭和 20) 年の日本の敗戦までの摩擦と戦争の 34 年間。第三は 1945 年から 2009 (平成 21) 年までの占領と安全保障体制下の 64 年間。

オバマさんも、鳩山さんも、ともに変化を掲げて当選したのですから、米軍普天間飛行場を日本に返還し、新しい日米関係の時代を切りひらくべきです。

彼らは現在を安保体制から真に友好協力的な新しい日米関係を確立するための移行期にしなければなりません。

ところが、現実はそのように動いていません。

オバマ政権の国務長官はヒラリー・クリントンさんです。彼女は沖縄に関する特別行動委員会 (SACO) が普天間飛行場の返還を決めた最終報告書を発表した 1996 年の大統領ビル・クリントンさんの夫人です。最終報告書では普天間飛行場の代替施設を海上に作ることが決まりました。具体的に名護市辺野古への移転が決定したのは 2006 年でした。

国防長官はブッシュ息子政権以来のゲーツさんです。 ゲーツさんはブッシュ父政権時代の 1991 年に中央情報局 (CIA) 長官に任命された最初の生粋の CIA 要員です。ゲーツさんは 1993 年まで CIA 長官を勤めたあと、大学教員に転じましたが、 2006 年にラムズフェルドさんの後任として国防長官になり、オバマさんが大統領になったあとも国防長官として留任しています。ゲーツさんは共和党員ではないと言われていますが、ブッシュ親子とは密接な関係にあります。

オバマさんはゲーツさんを国防長官に留任させざるを得なかったことによって重い過去を引きずることになりました。アフガニスタン戦争の継続と普天間飛行場の辺野古への移転です。

鳩山さんはもともと自民党の政治家です。彼は 1993 年に自民党を離党し、新党さきがけを結成しました。同年 8 月に細川内閣が発足すると、官房副長官になりました。その後、新党さきがけは羽田内閣 (閣外協力) 、村山内閣 (閣内協力) 、第一次橋本内閣 (閣内協力) と協力関係にありました。第一次橋本内閣のとき菅直人さんは厚生大臣を務めました。

1996 年 11 月に第二次橋本内閣が発足しましたが、それに先だつ 1996 年 9 月に鳩山さんと菅さんは旧民主党を結成し、ともに代表になりました。 1996 年 12 月に SACO 最終報告書が発表されたときにも、 2006 年に辺野古への移転が決まったときにも、鳩山由起夫さんと菅直人さんはこれらに直接かかわっていません。

彼らは先の総選挙で米軍普天間飛行場の県内移転に反対し、沖縄の全選挙区をはじめ、全国で大勝利しました。

ゲーツさんは激しい反撃に出ています。鳩山さんはたじろいでいます。鳩山さんは、これは日本国民の要求であり、選挙によって政権が変わったのであるから、政策が変わるのは民主主義国家では当然のことである、と主張すれば良いのです。国際社会ではよくあることです。米国も民主主義国家であるのならば、理解できるはずです。

日本政府は移転先などを考える必要はありません。どこへ移しても、移されるところは大変迷惑を蒙るのです。それは米国が考えればよいのです。一番良いのは基地をなくすことです。どうしても必要ならば、自国内に作れば良いのです。

オバマさんと鳩山由紀夫さんは 20 世紀後半の日米安全保障体制から 21 世紀の真に友好協力的な日米関係を確立する移行期の指導者にならなければなりません。

この問題を最終的に解決するのは日米両国の主権者である人民です。

日本人自身も日本にある米軍基地について、日米安全保障条約について、日米関係について真剣に考えなければなりません。

今年が普天間飛行場問題を解決し、真に友好協力的な新しい日米関係を確立するための年となることを願っています。

私もそのために努力します。

2010 年元旦

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